今回の確定申告における変更点を一般的なサラリーマン投資家目線でご紹介します。
税制は毎年非常に多くの改正がありますが、資産家や法人に関係する変更点は一切無視して紹介しますのでご了承ください。(・∀・)
記載事項の簡便化
勤務先で年末調整を受けた人が確定申告をする場合、その所得控除のうち年末調整を受けた金額と同じものは、確定申告書に控除額を記載することで足りるとされました。
例えば、生命保険料の控除証明書を勤務先に提出して年末調整を受けた人が、医療費控除を適用するために確定申告をするような場合です。
確定申告の生命保険料控除については、源泉徴収票に記載の年末調整を受けた生命保険料控除の金額を記載するだけで済むようになります。
追加で確定申告する控除、この場合だと医療費控除の適用に必要な書類については、添付や提示が必要なことに変わりありません。
添付書類の省略
下記の添付書類について、確定申告書への添付、提出時の提示が不要となりました。
- 給与所得、退職所得及び公的年金等の源泉徴収票
- オープン型証券投資信託の収益の分配の支払通知書
- 配当等とみなす金額に関する支払通知書
- 上場株式配当等の支払通知書
- 特定口座年間取引報告書
- 未成年者口座等につき契約不履行等事由が生じた場合の報告書
- 特定割引債の償還金の支払通知書
サラリーマンの受け取る給与、その源泉徴収票の添付や提示が不要となりました。
さらに投資家であれば、上場株式配当等の支払通知書、特定口座年間取引報告書などの添付や提示も不要となりました。
添付や提示が不要となっても、根拠書類は5年間保管をしておく必要がありますのでご注意ください。
外国税額控除の限度額算出所得の変更
日本株とJ-REITに特化している僕にとっては守備範囲の外ですが、外国株式などに投資している人も多いので紹介します。
今回の確定申告から変更になるのは、控除限度額における国外所得金額についてです。
上場株式等、エンジェル税制、先物取引等における損失の繰越控除がある場合、その繰越控除を適用する前の所得を使って控除限度額を算出することとされました。
控除限度額は、所得税の額×(調整国外所得金額÷所得総額)で算出されます。
分子の調整国外所得金額に繰越控除適用前の所得が使われますので、限度額が上がることになります。
おまけ:令和2年分の変更点
さて、令和元年分の変更点について紹介しました。
次に箇条書きですが、今年、令和2年分所得からの変更点についても紹介します。
- 給与所得控除の引き下げ
- 基礎控除の引き上げ+所得要件の新設
- 所得金額調整控除の新設
- 青色申告特別控除の引き下げ+電磁的記録またはe-Tax優遇制度新設
- 基礎控除の引き上げに伴い、扶養控除、配偶者控除、配偶者特別控除、勤労学生控除の所得要件の引き上げ
- 住民税非課税基準の改正
- 未婚のひとり親に対する税制措置の新設
- 寡婦(寡夫)控除の見直し
- 分配時調整外国税相当額控除の見直し
今年は給与所得控除や基礎控除の改正など、多くの人に関係する改正が多いです。
令和2年分の所得から変更になりますので、令和3年3月15日期限の確定申告からの変更です。
住民税は令和3年度分から変更になります。
また1年経って令和2年分の確定申告の時期が近付いたら詳しく紹介しようと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!