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インヴィンシブル投資法人(8963)の特徴・投資方針・実績を紹介!

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

ニューヨークに本社を置くフォートレスグループがスポンサーのホテル主体型J-REITです。

そんなインヴィンシブル投資法人について紹介します!

J-REITの仕組み、メリット・デメリット、種類を解説!J-REITの仕組み、現物不動産投資と比較したメリット・デメリット、不動産の用途、J-REITの種類について紹介しています。...

スポンサー・資産運用会社・格付

スポンサーFortress Investment Group LLC
資産運用会社コンソナント・インベストメント・マネジメント
格付A / 安定的(JCR)
資産運用会社の株主出資比率
Fortress CIM Holdings L.P.100%

インヴィンシブル投資法人の特徴

インヴィンシブル投資法人は、ニューヨークに本社を置きグローバルに展開する投資運用会社、フォートレス・インベストメント・グループ(Fortress Investment Group LLC)がスポンサーのホテル主体型J-REIT。

インヴィンシブル投資法人の資産規模は、ホテル特化型・主体型J-REITの中で最大の規模を誇ります。

保有するホテルの大多数で、スポンサーであるフォートレス・インベストメント・グループのグループ会社、マイステイズ・ホテル・マネジメントとその関係会社がホテルオペレーターを担っています。

2020年の5月には、コロナにより深刻な状況に陥ったマイステイズ・ホテル・マネジメントグループのために、あらゆる手を使って救済に動きました。

「主要テナントとの定期建物賃貸借兼管理業務委託契約変更覚書締結に関するお知らせ」|インヴィンシブル投資法人HP

投資方針(ポートフォリオ構築方針)

用途

用途割合
ホテル
住宅
50%以上
その他50%未満

ホテルと住宅をコアアセットとして50%以上の割合で、オフィスや商業施設などのその他の用途をサブアセットとして50%未満で投資する方針です。

2022年11月30日時点のポートフォリオは、ホテルが91.7%、住宅が7.8%、その他が0.5%となっています。

ホテル特化型・主体型J-REIT比較。他のJ-REITとはちょっと違う!ホテル特化型・主体型J-REITの一覧、賃料形態・資産規模・物件数の比較を掲載しています。投資主優待についても紹介しています。...

投資エリア

投資エリア割合
首都圏
地方主要都市部
85%以上
海外15%未満

投資エリアについては、首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)及び政令指定都市を主として、全国の主要都市及びそれらの周辺地域を対象に85%以上を、15%未満で海外へも投資する方針です。

2022年11月30日時点のポートフォリオは、東京23区が31.9%、東京23区を除く首都圏が13.7%、北海道が13.5%、中部が10.3%など、国内合計が92.7%、海外が7.3%となっています。

資産規模・1口当たりNAV推移

上場からの資産規模と1口当たりNAVの推移は下のグラフのとおりです。

2009年12月期までは合併前の東京グロースリート投資法人の数値です。

スポンサーがフォートレスに変わってから、資産規模、1口当たりNAV共にぐんぐんと伸びています。

インヴィンシブル投資法人(8963)資産規模、1株当たりNAV推移

「1口当たりNAV」とは

NAVはNet Asset Valueの略で、含み損益を反映させた時価の純資産のこと。これを発行済投資口数で割ったものが1口当たりNAVです。
また、投資口価格を1口当たりNAVで割ったものをNAV倍率と言い、株式のPBRに相当します。

直近10期(5年)の資産規模と1口当たりNAVは下記のとおりです。

決算期資産規模(億円)1口当たりNAV(円)増減率
‘17.123,53651,407-3.3%
‘18.63,55551,8490.9%
‘18.124,48351,555-0.6%
‘19.64,29652,2121.3%
‘19.124,97953,7963.0%
‘20.65,11649,444-8.1%
‘20.125,02749,4640.0%
‘21.65,02750,3121.7%
‘21.124,94750,5750.5%
‘22.64,91352,6454.1%

1口当たり分配金・1口当たりFFO推移

上場からの1口当たり分配金と1口当たりFFOの推移は下のグラフのとおりです。

こちらも2009年12月期までは合併前の東京グロースリート投資法人の数値です。

営業赤字となった2011年12月期の1口当たりFFOは、-445円となっています。

1口当たり分配金と1口当たりFFO共に、スポンサーが変わる前は右肩下がり、スポンサーがフォートレスに変わってからは右肩上がりでしたが、コロナの影響でガクンと減少しています。

インヴィンシブル投資法人(8963)資産規模、1株当たり配当金、1株当たりFFO推移

「1口当たりFFO」とは

FFOはFunds From Operationの略で、当期純利益から不動産売却損益を差し引き、減価償却費を足したもので、賃貸収入からどれだけのキャッシュが得られたかを表す指標のこと。これを発行済投資口数で割ったものが1口当たりFFOです。
また、投資口価格を1口当たりFFOで割ったものをFFO倍率と言い、株式のPERに相当します。

直近10期(5年)の1口当たり分配金と1口当たりFFOは下記のとおりです。

決算期1口当たり分配金(円)増減率1口当たりFFO(円)増減率
‘16.61,186-0.1%1,64324.1%
‘16.121,47724.5%2,03924.1%
‘17.61,264-14.4%1,809-11.3%
‘17.121,56423.7%1,800-0.5%
‘18.61,430-8.6%1,9297.2%
‘18.121,68317.7%2,0164.5%
‘19.61,656-1.6%2,34516.3%
‘19.121,7254.2%2,202-6.1%
‘20.669-96.0%390-82.3%
‘20.12167142.0%330-15.3%
‘21.615-91.0%48-85.6%
‘21.121661006.7%377691.7%
‘22.61660.0%54344.3%
‘22.12(予)655

公募増資(PO)・第三者割当増資履歴

利益のほとんどを分配するJ-REITにとって、増資は成長するための重要なエンジンになります。

上場からの公募増資、第三者割当増資の履歴は下記のとおりです。

インヴィンシブル投資法人(8963)公募増資、第三者割当増資履歴

スポンサー変更後は公募増資を積極的に行って資産規模の拡大、分配金の増加に寄与しています。

ただ、コロナ禍に入ってから公募増資はありません。

沿革

2002年1月東京グロースリート投資法人設立
2004年5月大阪証券取引所に上場
2006年8月東京証券取引所に上場
2007年4月スポンサーのパレックスがアパマンショップホールディングスの完全子会社に
2007年10月大阪証券取引所上場廃止
2010年2月エルシーピー投資法人を吸収合併
東京グロースリート投資法人からインヴィンシブル投資法人に商号変更
2010年9月継続企業の前提に関する事項の注記の記載
2011年7月スポンサーがフォートレス・インベストメント・グループに変更
2011年8月継続企業の前提に関する注記の記載解消
2017年12月ソフトバンクグループがフォートレス・インベストメント・グループを買収
2023年5月ソフトバンクグループがフォートレス・インベストメント・グループを売却

上場時は、パレックス(旧:東京リート)というアセットマネジメント会社がスポンサーの住宅主体型J-REITでした。

2007年4月にはアパマンショップホールディングス(現:APAMAN(8889))がパレックスを完全子会社化して実質的なスポンサーとなっています。

エルシーピー投資法人(8980)との合併

一方、エルシーピー投資法人は、米国のThe LCP Groupとゼクス、日神不動産(現:日神グループホールディングス(8881))、矢作建設工業(1870)などの企業群がスポンサーの総合型J-REITでした。

両投資法人ともに、リーマンショックの影響でファイナンスコストの増加やリファイナンスに対する懸念などの財務上の問題を抱えており、それに対応すべく合併することになります。

2010年2月に、これら2つの投資法人が合併してインヴィンシブル投資法人となり、住居をコアアセットとする総合型J-REITとなりました。

資産運用会社は、エルシーピー投資法人のエルシーピー・リート・アドバイザーズがコンソナント・インベストメント・マネジメントとなって継続して担当しています。

その後、東京グロースリート投資法人時代の資産運用会社だったグロースリート・アドバイザーズは解散しています。

スポンサーがフォートレス・インベストメント・グループに

2011年7月、破綻の危機にあったインヴィンシブル投資法人のスポンサーがアメリカの投資運用会社、フォートレス・インベストメント・グループになりました。

これをきっかけに大規模な増資やリファイナンスを行い、破綻の危機を脱して、フォートレスに救われる形です。

2014年6月には運用ガイドラインを変更して、従来の住宅主体から住宅とホテルをコアアセットとし、その後はホテルを中心に一気に資産規模を拡大してきました。

ソフトバンクグループがフォートレス・インベストメント・グループを買収

2017年12月、フォートレス・インベストメント・グループはソフトバンクグループ(9984)に買収されて子会社となっています。

2018年3月29日付で、フォートレス・インベストメント・グループが保有する資産運用会社の発行済株式総数の80.0%をソフトバンクグループの子会社であるFortress CIM Holdings L.P.に、20.0%をソフトバンクグループに譲渡しました。

これによってソフトバンクグループが直接・間接保有をあわせて資産運用会社の発行済株式総数の100%を保有することとなりましたが、引き続きフォートレス・インベストメント・グループがメインスポンサーを務めています。

ソフトバンクグループがフォートレス・インベストメント・グループを売却してスポンサーからも撤退

2023年5月23日、ソフトバンクグループが資産運用会社の株式20%をFortress CIM Holdings L.P.に譲渡し、Fortress Investment Group LLCの株式をアブダビの政府系ファンド、ムバダラ・インベストメント・カンパニーの資産運用子会社であるムバダラ・キャピタルに譲渡することが発表されました。

ソフトバンクグループはフォートレス・インベストメント・グループの親会社でなくなると同時に、本投資法人のサブスポンサーでもなくなっています。

フォートレス・インベストメント・グループはムバダラ・キャピタルが70%の株式を保有し傘下に収め、残る30%はフォートレスの経営陣が保有する形となりました。

投資主優待

6月30日、12月31日時点で投資主名簿に記載又は記録された全ての投資主を対象に、シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル、マイステイズホテルグループの全てのホテルにおいて、利用回数に制限なしで投資主優待価格で宿泊可能です。

詳細はインヴィンシブル投資法人のHPをご覧ください。

インヴィンシブル投資法人のまとめ

  • リーマンショック、コロナショックを乗り越えたまさに「インヴィンシブル=無敵」
  • スポンサーは世界的な投資運用会社で、当投資法人を倒産の危機から現在の規模まで成長させた実力あり。
  • 住宅が収益を下支えしているが、ホテルがポートフォリオの大半を占めるため、やはり今後の状況は不透明。
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