不動産管理事業を主力とするスターツコーポレーション(8850)がスポンサーの住宅主体型J-REITです。
そんなスターツプロシード投資法人について紹介します!
Contents
スポンサー・資産運用会社・格付
スポンサー | スターツコーポレーション |
資産運用会社 | スターツアセットマネジメント |
格付 | A / 安定的(JCR) |
資産運用会社の株主 | 出資比率 |
---|---|
スターツコーポレーション | 100% |
スターツプロシード投資法人の特徴
不動産管理事業、建設事業、不動産賃貸・売買仲介事業などを展開するスターツコーポレーションがスポンサーの住宅主体型J-REIT。
スターツプロシード投資法人では、平均的な所得層を対象にした賃貸住宅を主要な投資対象としている点が特徴です。
このような賃貸住宅に投資することで、安定的な運用を継続的に行うことを狙いとしています。
スターツコーポレーション、子会社でマンションなどの開発を行うスターツデベロップメント、不動産管理を行うスターツアメニティー、建設事業を行うスターツCAMの4社は、パイプラインサポートとして保有する物件情報のすべてを本資産運用会社へ優先的に提供し、さらにスターツコーポレーション、スターツデベロップメント、スターツアメニティーの3社は、ウェアハウジング機能の提供することで本投資法人の外部成長をサポートする体制を構築しています。
内部成長では、スターツアメニティーがマスターリース業務・プロパティマネジメント業務を担い、そのうちリーシング業務については、「ピタットハウス」を全国展開するスターツピタットハウスが担っています。
外部成長・内部成長ともに、スターツグループを挙げてサポートしていく体制です。
さらにセイムボート出資として、スターツコーポレーションが投資口の13.45%を保有しています。
投資方針(ポートフォリオ構築方針)
用途
用途 | 割合 |
---|---|
賃貸住宅 | 70%以上 |
マンスリーマンション サービスアパートメント ホテル | 25%以内 |
高齢者向け施設 | 10%以内 |
その他 | 25%以内 |
賃貸住宅に70%以上、マンスリーマンションなどに25%以内、高齢者向け施設に10%以内、その他の用途に25%以内で投資する方針です。
2021年4月30日時点のポートフォリオは、賃貸住宅が97.3%、マンスリーマンションが2.1%、高齢者向け施設が0.6%となっています。
賃貸住宅については、ポートフォリオにおけるタイプ別の面積割合も定めています。
賃貸住宅タイプ区分 | 面積割合 |
---|---|
シングル(1R、1K、1DK) | 20~50% |
DINKS(1LDK、2DK) | 5~25% |
ファミリー(2LDK、3DK、3LDK以上) | 30~60% |
タイプ別ではファミリータイプを中心に投資する方針です。
2021年4月30日時点のポートフォリオは、シングルタイプが44.4%、DINKSタイプが16.9%、ファミリータイプが34.2%、その他が4.4%となっています。
投資エリア
投資エリア | 割合 |
---|---|
首都圏主要都市 | 70%以上 |
政令指定都市 | 20%以内 |
地方主要都市 | 10%以内 |
首都圏主要都市(東京23区、横浜市、川崎市、千葉市、さいたま市)に70%以上、首都圏主要都市を除く政令指定都市に20%以内、地方主要都市に10%以内で投資する方針です。
ただ、これらの都市の概ね半径20km圏内で通勤圏内の地域へも投資できるとしています。
2021年4月30日時点のポートフォリオは、首都圏主要都市が75.5%、政令指定都市が21.8%、地方主要都市が2.7%となっています。
資産規模・1口当たりNAV推移
上場からの資産規模と1口当たりNAVの推移は下のグラフのとおりです。
直近10期(5年)の資産規模と1口当たりNAVは下記のとおりです。
決算期 | 資産規模(億円) | 1口当たりNAV(円) | 増減率 |
---|---|---|---|
‘16.4 | 571 | 206,377 | 3.9% |
‘16.10 | 578 | 215,524 | 4.4% |
‘17.4 | 820 | 193,403 | -10.3% |
‘17.10 | 804 | 196,387 | 1.5% |
‘18.4 | 855 | 199,250 | 1.5% |
‘18.10 | 863 | 203,743 | 2.3% |
‘19.4 | 861 | 210,360 | 3.2% |
‘19.10 | 866 | 212,674 | 1.1% |
‘20.4 | 878 | 213,318 | 0.3% |
‘20.10 | 879 | 217,468 | 1.9% |
‘21.4 | 882 | 221,049 | 1.6% |
他のJ-REITに比べて規模が劣っていることは本投資法人も認識していて、IPO時や初期PO時の小規模物件を中心に、首都圏物件との入替を推進していく方針で、資産規模1,000億円台への早期到達を目指すとしています。
1口当たり分配金・1口当たりFFO推移
上場からの1口当たり分配金と1口当たりFFOの推移は下のグラフのとおりです。
直近10期(5年)の1口当たり分配金と1口当たりFFOは下記のとおりです。
決算期 | 1口当たり分配金(円) | 増減率 | 1口当たりFFO(円) | 増減率 |
---|---|---|---|---|
‘16.4 | 4,104 | 1.7% | 6,883 | 1.1% |
‘16.10 | 4,204 | 2.4% | 6,998 | 1.7% |
‘17.4 | 4,397 | 4.6% | 6,611 | -5.5% |
‘17.10 | 4,624 | 5.2% | 6,503 | -1.6% |
‘18.4 | 4,645 | 0.5% | 6,746 | 3.7% |
‘18.10 | 4,410 | -5.1% | 6,829 | 1.2% |
‘19.4 | 4,638 | 5.2% | 6,994 | 2.4% |
‘19.10 | 4,542 | -2.1% | 6,978 | -0.2% |
‘20.4 | 5,059 | 11.4% | 6,956 | -0.3% |
‘20.10 | 5,488 | 8.5% | 7,086 | 1.9% |
‘21.4 | 4,663 | -15.0% | – | |
‘21.10(予) | 4,500 | – | ||
‘22.4(予) | 4,520 | – |
公募増資(PO)・第三者割当増資履歴
利益のほとんどを分配するJ-REITにとって、増資は成長するための重要なエンジンになります。
上場からの公募増資、第三者割当増資の履歴は下記のとおりです。
直近の公募増資は121億円を調達して、借入金とあわせて240億円で15物件を取得しています。
沿革
2005年5月 | スターツプロシード投資法人設立 |
2005年11月 | ジャスダック証券取引所に上場 |
2010年7月 | 東京証券取引所に上場 |
2010年10月 | 大阪証券取引所JASDAQ上場廃止 |
スターツプロシード投資法人のまとめ
- 開発も行う不動産会社のスターツコーポレーションがスポンサーの住宅主体型J-REIT。
- 上場からかなりの年月が経過しているが、資産規模は下位クラスという点が課題。
- 資産入替だけでなく、公募増資を行って物件取得できるかが鍵か?