三井住友フィナンシャルグループ(8316)に続いて、同じく累進配当を宣言している三菱商事(8058)についてご紹介します。
減配しないという方針は良いですね!
※アイキャッチ画像は三菱商事HPより
三菱商事の概要
皆さんご存知、総合商社の雄、三菱商事です。
三菱商事は三菱グループの中核で、三菱UFJ銀行、三菱重工業とともに御三家の一角です。
連結子会社、持分法適用会社はなんと1,600社超!!
エネルギー、金属、機械、食品、化学、都市開発など幅広い領域で事業を展開しています。
上場する子会社では、中央化学(7895)、千代田化工建設(6366)、日本食品化工(2892)、日東富士製粉(2003)、ローソン(2651)、三菱食品(7451)を傘下に収めています。
持分法適用会社では、三菱自動車工業(7211)、DM三井製糖ホールディングス(2109)、伊藤ハム米久ホールディングス(2296)、かどや製油(2612)、日本KFCホールディングス(9873)、カンロ(2216)、ライフコーポレーション(8194)、日本ケアサプライ(2393)、TOYO TIRE(5105)、三菱HCキャピタル(8593)、カノークス(8076)、明和産業(8103)、マルイチ産商(8228)が上場しています。
銘柄選定基準に照らしてみる
僕の銘柄選定基準に照らしてみます。
- 配当(分配)利回り4%以上
- 株式では、過去に大幅な減配をしていないこと(特にリーマンショック時)
配当利回り4%以上か
2022年11月4日時点の三菱商事の株価は4,309円。
1株当たり配当金の予想は150円なので、配当利回りは3.48%です。
僕が購入した時点では配当利回り4%を大きく上回っていましたが、株価が上昇したことにより4%を下回っています。
過去に大幅な減配をしていないか
リーマンショック前後の業績と配当を見てみます。
決算期 | 1株当たり利益 | 1株当たり配当 |
---|---|---|
2008年3月 | 278.95円 | 56円 |
2009年3月 | 225.24円 | 52円 |
2010年3月 | 166.24円 | 38円 |
リーマンショックの影響や商品市況の下落を受けて、2009年3月期、2010年3月期と減益が続き、配当も減額されています。
さらに、2016年3月期には資源関連市況の大幅な下落によって最終赤字となり、減配となっています。
決算期 | 1株当たり利益 | 1株当たり配当 |
---|---|---|
2015年3月 | 246.39円 | 70円 (普60円、記10円) |
2016年3月 | -93.68円 | 50円 |
2017年3月 | 277.79円 | 80円 |
2018年3月 | 353.27円 | 110円 |
2019年3月 | 372.39円 | 125円 |
2020年3月 | 348.50円 | 132円 |
2021年3月 | 116.86円 | 134円 |
2022年3月 | 635.06円 | 150円 |
2023年3月(予) | 583.58円 | 150円 |
三菱商事の過去の業績や配当を見ると、景気や商品、資源関連市況の動向に左右されて波があることがわかります。
累進配当を方針として発表!減配しない!
2016年3月期に最終赤字となったのは、三菱商事にとって戦後初の出来事でした。
戦後初の最終赤字ということで大きな危機感があったのでしょう。
決算と同時に「中期経営戦略2018~新たな事業経営モデルへの挑戦~」を発表しました。
その中で、赤字の原因となった「資源」と「非資源」のバランスの見直しなどを柱とした経営方針が示されました。
そして、株主還元として持続的な利益成長にあわせて増配していく累進配当を基本方針としたのです!
※三菱商事HPより
2018年11月2日には「中期経営戦略2021~事業経営モデルによる成長の実現~」を発表。
その中には、累進配当を継続することや2021年度の純利益9,000億円を目標とすることなどが盛り込まれています。
※三菱商事HPより
2022年5月10日、三菱商事が2022年3月期の決算を発表しました。
2022年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)|三菱商事HP
中期経営戦略で9,000億円を目標としていた2021年度の純利益ですが、期初の予想では3,800億円としていたものの、結果は9,375億円となって見事に目標を達成しました!
また、200円前後とされていた1株当たり配当金ですが、こちらは150円で200円には届きませんでした。
純利益が目標を達成できたのは資源価格の上昇など市況系が大きく影響しました。
目標の配当金200円を出せなかったのは、事業系が目標通りに成長できなかったからだと思います。
この点は今後に期待したいところです。
三菱商事のまとめ
以上、三菱商事について見てきました。
資源価格など市況によって業績が大きく変動する三菱商事。
ただ、減益、減配となったリーマンショック後の2009年3月期や2010年3月期、戦後初の最終赤字となった2016年3月期も営業キャッシュフローはしっかりと得られており、それぞれ5,500億円、7,600億円、7,000億円でした。
さらに、2020年3月期は8,400億円、2021年3月期は1兆円を超える営業キャッシュフローを得ることができています。
このことから、今後も配当原資となるキャッシュをしっかりと得られるだろうと考えます。
そして減配しない累進配当ですので、僕のポートフォリオのコアとなる銘柄として投資していきたいと思います。
お読みいただき、ありがとうございました!