総合商社の三菱商事(8058)がメインスポンサーの総合型J-REITです。
そんなMCUBS MidCity投資法人について紹介します!
Contents
スポンサー・資産運用会社・格付
スポンサー | 三菱商事 UBS |
資産運用会社 | 三菱商事・ユービーエス・リアルティ |
格付 | AA- / 安定的(JCR) A+ / 安定的(R&I) |
資産運用会社の株主 | 出資比率 |
---|---|
三菱商事 | 51% |
ユービーエス・アセット・マネジメント・エイ・ジー | 49% |
MCUBS MidCity投資法人の特徴
総合商社の三菱商事と世界的な金融グループであるUBSがスポンサーのオフィス主体型J-REITです。
スポンサーが三菱商事とUBSに変わるまでは大阪圏を重点投資エリアとしていたため、関西地方の物件を多く保有しています。
オフィスビルが主体のJ-REITで、資産運用会社が同じ日本リテールファンド投資法人(8953)、産業ファンド投資法人(3249)が投資対象とする用途以外の用途へも投資する方針です。
2019年11月には112億円でホテルを取得しました。
投資方針(ポートフォリオ構築方針)
用途
用途 | 割合 |
---|---|
オフィスビル | 70%以上 |
オフィスビル以外 | 30%以下 |
オフィスビルへ70%以上、オフィスビル以外へ30%以下で投資する方針です。
投資エリア
投資エリア | 割合 |
---|---|
三大都市圏 | 70%以上 |
三大都市圏を除く政令指定都市 それに準ずる主要都市 海外 | 30%以下 |
三大都市圏へ70%以上、海外も含めたその他のエリアに30%以下で投資する方針です。
資産規模・1口当たりNAV推移
上場からの資産規模と1口当たりNAVの推移は下のグラフのとおりです。
2015年4月にスポンサーが変わってから、ぐんぐんと成長しているのがわかります。
直近10期(5年)の資産規模と1口当たりNAVは下記のとおりです。
決算期 | 資産規模(億円) | 1口当たりNAV | 増減率 |
---|---|---|---|
‘15.12 | 2,171 | 68,971 | 7.2% |
‘16.6 | 2,171 | 72,691 | 5.4% |
‘16.12 | 2,171 | 75,320 | 3.6% |
‘17.6 | 2,381 | 81,088 | 7.7% |
‘17.12 | 2,381 | 84,661 | 4.4% |
‘18.6 | 2,613 | 86,050 | 1.6% |
‘18.12 | 2,676 | 89,671 | 4.2% |
‘19.6 | 2,606 | 93,715 | 4.5% |
‘19.12 | 2,876 | 98,857 | 5.5% |
‘20.6 | 2,876 | – |
1口当たり分配金・1口当たりFFO推移
上場からの1口当たり分配金と1口当たりFFOの推移は下のグラフのとおりです。
直近10期(5年)の1口当たり分配金と1口当たりFFOは下記のとおりです。
決算期 | 1口当たり分配金(円) | 増減率 | 1口当たりFFO(円) | 増減率 |
---|---|---|---|---|
‘15.12 | 1,456 | 13.0% | – | |
‘16.6 | 1,420 | -2.5% | – | |
‘16.12 | 1,486 | 4.6% | – | |
‘17.6 | 1,580 | 6.3% | – | |
‘17.12 | 1,622 | 2.7% | – | |
‘18.6 | 1,684 | 3.8% | 2,493 | |
‘18.12 | 2,545 | 51.1% | 2,501 | 0.3% |
‘19.6 | 2,751 | 8.1% | 2,602 | 4.0% |
‘19.12 | 1,955 | -28.9% | 2,569 | -1.3% |
‘20.6 | 2,049 | 4.8% | – |
公募増資(PO)履歴
メインスポンサーが三菱商事・UBSになるまで、公募増資はありませんでした。
沿革
2006年6月 | MIDリート投資法人設立 |
2006年8月 | 東京証券取引所に上場 |
2009年12月 | スポンサーがエートス・キャピタルから関西電力に |
2015年4月 | メインスポンサーが三菱商事・UBSに |
2015年6月 | MCUBS MidCity投資法人に商号変更 |
2021年3月 | 日本リテールファンド投資法人に吸収合併 |
上場時のスポンサーは、MID都市開発を通してアメリカの投資ファンド、エートス・キャピタルが務めていました。
MID都市開発は、経営破綻した松下興産という松下グループ(現 パナソニックグループ)のデベロッパーが前身の不動産会社で、アメリカの投資ファンド、エートス・キャピタルの下で再建しました。
スポンサーが関西電力に
2009年12月には、関西電力がエートス・キャピタルからMID都市開発の株式を取得して子会社化しています。
ですが、その後は資産規模の拡大はできず、分配金も下落傾向が続きました。
メインスポンサーが三菱商事・UBSに
2015年4月、外部成長の加速や規模の拡大を図るため、新しくメインスポンサーが三菱商事・UBSに変わりました。
それによって資産運用ガイドラインも変更され、大阪圏を重点投資エリアとする方針から三大都市圏を重点投資エリアとする方針になりました。
関西電力はその後もサブスポンサーを務めていましたが、2019年4月にスポンサーから撤退して、三菱商事・UBSが単独スポンサーとなっています。
日本リテールファンド投資法人(8953)に吸収合併
2021年3月、コロナ禍による商業及びオフィス市況に対する不透明感、不動産へのニーズの変化など環境変化の中で、日本リテールファンド投資法人についてはセクター特化型、MCUBS MidCity投資法人についてはセクター重点型であることから、成⻑に制限が存在することが両投資法⼈の課題となっていました。
これらの課題へ対処するとともに、合併を通じた資産規模の拡⼤によるJ-REIT市場における存在感の向上、総合型REITへの転換による投資対象⽤途の拡⼤により更なる安定性及び成⻑性の向上に繋がると判断し、両投資法人は合併することになりました。