J-REIT業界にとっては残念なニュースです。
2021年7月28日、インベスコ・グループによるTOBが成立し、インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人(3298)は上場廃止となる予定が発表されました。
「IRE IOJ合同会社及びMAR IOJ合同会社によるインベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人投資口(コード番号:3298)に対する公開買付けの結果に関するお知らせ」
Contents
インベスコ・グループのTOBまでの経緯
スターウッド・キャピタル・グループによるTOB計画の判明と実行
ことの発端は、4月2日にスターウッド・キャピタルが提出した大量保有報告書によりインベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人へのTOB計画が判明したことでした。
そして計画通り、4月7日にスターウッド・キャピタルはTOBを開始しました。
「インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人の全発行済投資口を対象とした公開買付の開始に関するお知らせ」
インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人の反対とインベスコ・グループの対抗措置
5月6日、スターウッド・キャピタルのTOBに対して、インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人は「反対」の意見表明を行います。
「スターウッド・キャピタル・グループによる本投資法人投資口に対する公開買付けに関する意見表明(反対)のお知らせ」
さらに対抗措置として、インベスコ・グループのインベスコ・インベストメンツ(バミューダ)リミテッドに市場買付け等による投資口の買付け要請を行っています。
スターウッド・キャピタルもこれに対抗し、5月10日にTOB価格を当初の1口20,000円から21,750円へ引き上げました。
5月20日、その対抗措置としてインベスコ・グループはインベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人にTOB提案書を提出。
その内容は、 TOB価格1口22,500円で発行済投資口の全ての取得を目的とし、投資口全てを取得できなかった場合には、投資口併合によりスクイーズアウトを行うというものでした。
「IRE (Cayman) Limitedによる公開買付けの実施に関する提案書受領のお知らせ」
この後、スターウッド・キャピタルはTOB期間の延長、TOB価格1口22,500への引き上げを行いましたが、 6月15日に終了したTOBは、 買付予定数の下限3,877,247口に対して、応募投資口の総数は348,378口で、下限の10%にも満たずに不成立となっています。
インベスコ・グループによるTOB開始。そして成立
6月17日、インベスコ・グループが提案書のとおりインベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人へのTOBを実施すると発表。
「IRE IOJ合同会社及びMAR IOJ合同会社によるインベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人投資口(コード番号:3298)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ」
これに対して、インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人は「賛同」の意見を表明しています。
「インベスコ・グループによる本投資法人投資口に対する公開買付けに関する意見表明(賛同)のお知らせ」
6月18日から7月27日までの26営業日で行われたTOBですが、下限の4,761,794口に対して5,727,676口の応募があり、インベスコ・グループのTOBは成立しました。
投資口の全てを取得することはできなかったため、今後は投資口併合によるスクイーズアウトにより全投資口を取得し、インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人は上場廃止となる予定です。
TOB成立は個人的には残念な結果…
TOB成立によって、インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人はJ-REIT市場から姿を消すこととなります。
世界有数のアセットマネジメント会社がスポンサーの大規模オフィスへ重点投資するオフィス特化型J-REIT。
J-REIT市場に残ってほしかったな…。