大手証券会社の大和証券グループ本社(8601)がスポンサーのオフィス特化型J-REITです。
そんな大和証券オフィス投資法人について紹介します!
Contents
スポンサー・資産運用会社・格付
スポンサー | 大和証券グループ本社 |
資産運用会社 | 大和リアル・エステート・アセット・マネジメント |
格付 | AA / 安定的(JCR) AA- / 安定的(R&I) |
資産運用会社の株主 | 出資比率 |
---|---|
大和証券グループ本社 | 100% |
大和証券オフィス投資法人の特徴
大和証券オフィス投資法人は、証券大手の大和証券グループ本社がスポンサーのオフィス特化型J-REIT。
東京主要5区を最重点投資エリアと位置付けていて、“東京主要5区に注力したオフィス特化型REIT”と謳っています。
新宿駅徒歩5分に位置する大規模物件「新宿マインズタワー(1995年9月築)」がポートフォリオに占める割合が高く、築年数20年以内、投資規模50億円前後を目処に新規物件の取得、築古のビルを売却して築浅の物件を購入するといった物件の入替も検討し、新宿マインズタワーのウエイト軽減、既存ポートフォリオの安定性・収益性の向上を目指しています。
また、2020年11月には日本橋馬喰町に開発用地を取得して、当投資法人として初の開発プロジェクトを開始しました。
開発プロジェクトはポートフォリオの若返り、中長期的な収益性の向上が見込まれるとして、今後も物件の取得に努める方針です。
資産運用会社の大和リアル・エステート・アセット・マネジメントは、当投資法人の他に、大和証券リビング投資法人(8986)、私募REITの大和証券レジデンシャル・プライベート投資法人、大和証券ホテル・プライベート投資法人、大和証券ロジスティクス・プライベート投資法人の運用も行っており、合計5つのREITの運用を行っています。
大和グループ本社と子会社のダイワインベスト・マネジメントが投資口の40%以上を保有しており、大和証券オフィス投資法人は大和証券グループ本社の連結子会社となっています。
投資方針(ポートフォリオ構築方針)
用途
用途 | 割合 |
---|---|
オフィス | 100% |
オフィス特化型J-REITなので、100%オフィスへ投資する方針です。
東京都心に所在する延床面積が30,000㎡以上Aクラスビル、延床面積が2,000㎡以上30,000㎡未満のBクラスビルに重点を置いて投資するとしています。
投資エリア
投資エリア | 割合 |
---|---|
東京主要5区 | 60%以上 |
首都圏 | 40%以下 |
地方主要都市 | 20%以下 |
投資エリアは、「東京主要5区」(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)を最重点投資エリア、「首都圏」(東京主要5区を除く東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)を重点投資エリア、「地方主要都市」(大阪府、京都府、兵庫県、愛知県、三重県、岐阜県、政令指定都市、中核市)を対象としています。
東京主要5区に60%以上、首都圏に40%以下、地方主要都市に20%以下で投資する方針です。
2021年7月19日時点のポートフォリオは、東京主要5区が80.5%、首都圏が17.5%、地方主要都市が2.1%となっています。
資産規模・1口当たりNAV推移
上場からの資産規模と1口当たりNAVの推移は下のグラフのとおりです。
直近10期(5年)の資産規模と1口当たりNAVは下記のとおりです。
決算期 | 資産規模(億円) | 1口当たりNAV(円) | 増減率 |
---|---|---|---|
‘16.11 | 4,670 | 595,860 | 4.6% |
‘17.5 | 4,690 | 620,897 | 4.2% |
‘17.11 | 4,690 | 640,587 | 3.2% |
‘18.5 | 4,390 | 653,697 | 2.0% |
‘18.11 | 4,590 | 673,841 | 3.1% |
‘19.5 | 4,600 | 697,220 | 3.5% |
‘19.11 | 4,610 | 727,729 | 4.4% |
‘20.5 | 4,631 | 744,269 | 2.3% |
‘20.11 | 4,648 | 746,455 | 0.3% |
‘21.5 | 4,614 | 752,347 | 0.8% |
中期目標として資産規模5,000億円を目指しています。
1口当たり分配金・1口当たりFFO推移
上場からの1口当たり分配金と1口当たりFFOの推移は下のグラフのとおりです。
リーマンショックの影響を大きく受けているのがわかります。
2010年11月期を底に、徐々に回復してきています。
なお、1口当たりFFOについてですが、2019年11月期からIR資料で公表されていないため記載していません。
直近10期(5年)の1口当たり分配金と1口当たりFFOは下記のとおりです。
決算期 | 1口当たり分配金(円) | 増減率 | 1口当たりFFO(円) | 増減率 |
---|---|---|---|---|
‘16.11 | 10,695 | 1.8% | 14,004 | 1.9% |
‘17.5 | 10,764 | 0.6% | 14,319 | 2.3% |
‘17.11 | 10,957 | 1.8% | 14,508 | 1.3% |
‘18.5 | 11,150 | 1.8% | 14,591 | 0.6% |
‘18.11 | 11,997 | 7.6% | 15,522 | 6.4% |
‘19.5 | 12,559 | 4.7% | 16,244 | 4.6% |
‘19.11 | 13,139 | 4.6% | – | |
‘20.5 | 13,595 | 3.5% | – | |
‘20.11 | 13,817 | 1.6% | – | |
‘21.5 | 14,000 | 1.3% | – | |
‘21.11(予) | 14,000 | – | ||
‘22.5(予) | 14,000 | – |
公募増資(PO)・第三者割当増資履歴
利益のほとんどを分配するJ-REITにとって、増資は成長するための重要なエンジンになります。
上場からの公募増資、第三者割当増資の履歴は下記のとおりです。
2016年11月期を最後に、近年は公募増資を行っていません。
直近の2016年11月期では、74億円を調達して、47億円で2物件を取得しています。
沿革
2005年7月 | DAオフィス投資法人設立 |
2005年10月 | 東京証券取引所に上場 |
2009年7月 | スポンサーがダヴィンチ・ホールディングスから大和証券グループ本社に変更 |
2010年9月 | 大和証券オフィス投資法人に商号変更 |
上場時のスポンサーは、ダヴィンチ・アドバイザーズ(→ ダヴィンチ・ホールディングス → 現:DAホールディングス)でした。
スポンサーが大和証券グループ本社に
リーマンショック後の信用収縮の拡大、ダヴィンチの信用力低下によって資金調達が困難になったことから、2009年7月に大和証券グループ本社へ100億円の第三者割当増資を実施し、スポンサーもダヴィンチから大和証券グループ本社へ変わりました。
これによって当時のDAオフィス投資法人は経営危機を脱することとなります。
大和証券オフィス投資法人のまとめ
- 大和証券グループ本社がスポンサーの東京都心5区に重きを置いたオフィス特化型J-REIT。
- 資産運用会社は5つのREITを運用、大和証券グループ本社は6つのREITでスポンサーを務めており実績十分。
- 現在はポートフォリオの質の改善に取り組んでいる真っ最中。