アメリカの投資ファンド、KKRがスポンサーのインダストリアル不動産・インフラ不動産特化型J-REITです。
そんな産業ファンド投資法人について紹介します!
Contents
スポンサー・資産運用会社・格付
スポンサー | KKR |
資産運用会社 | KJRマネジメント |
格付 | AA / 安定的(JCR) |
資産運用会社の株主 | 出資比率 |
---|---|
76株式会社 | 100% |
産業ファンド投資法人の特徴
産業ファンド投資法人は、ニューヨークを拠点とする世界的な投資会社のKKRがスポンサーのJ-REIT。
「産業用不動産特化型REIT」と謳っていて、物流施設を始め、工場・研究開発施設等やインフラ施設を投資対象としています。
現在は物流施設が中心ですが、工場・研究開発施設等とインフラ施設の投資比率を増やしていく方針です。
また、企業が保有・賃貸借している不動産(Corporate Real Estate)への「CRE提案」による物件取得に力を入れていて、CRE戦略に基づいて新規物件取得、増築や再開発も行っている点が特徴です。
特に未消化容積を有する既存物件について、CRE提案を行い増築や再開発を行うことでNOI(純収益)の増加により収益性アップに繋がっています。
投資方針(ポートフォリオ構築方針)
用途
用途 | 割合 |
---|---|
物流施設 工場・研究開発施設等 | 50~80% |
インフラ不動産 | 20~50% |
物流施設、工場・研究開発施設等のインダストリアル不動産に50~80%、鉄道関連施設や空港・港湾関連施設などのインフラ不動産に20~50%の割合で投資する方針です。
2021年7月31日時点のポートフォリオは、物流施設が49.5%、工場・研究開発施設等が31.6%、インフラ不動産が18.9%となっています。
投資エリア
投資エリア | 割合 |
---|---|
都市近郊型 工場集積地型 | 80%以上 |
独立立地型 | 20%以下 |
三大都市圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、愛知県、三重県、岐阜県)、政令指定都市、それに準ずる主要都市に立地する都市近郊型、製造品出荷額が1兆円以上の工業地区に立地する工場集積地型にあわせて80%以上、それ以外の独立立地型に20%以下の割合で投資する方針です。
資産規模・1口当たりNAV推移
上場からの資産規模と1口当たりNAVの推移は下のグラフのとおりです。
資産規模もNAVも右肩上がりに成長しています。
直近10期(5年)の資産規模と1口当たりNAVは下記のとおりです。
決算期 | 資産規模(億円) | 1口当たりNAV(円) | 増減率 |
---|---|---|---|
‘16.12 | 2,127 | 90,407 | 1.2% |
‘17.7 | 2,465 | 97,726 | 8.1% |
‘18.1 | 2,466 | 98,872 | 1.2% |
‘18.7 | 2,747 | 101,870 | 3.0% |
‘19.1 | 2,756 | 104,189 | 2.3% |
‘19.7 | 2,992 | 107,287 | 3.0% |
‘20.1 | 3,560 | 110,804 | 3.3% |
‘20.7 | 3,235 | 113,148 | 2.1% |
‘21.1 | 3,688 | 123,715 | 9.3% |
‘21.7 | 3,609 | 124,345 | 0.5% |
1口当たり分配金・1口当たりFFO推移
上場からの1口当たり分配金と1口当たりFFOの推移は下のグラフのとおりです。
同様にFFO、分配金ともに右肩上がりに成長しています。
直近10期(5年)の1口当たり分配金と1口当たりFFOは下記のとおりです。
決算期 | 1口当たり分配金(円) | 増減率 | 1口当たりFFO(円) | 増減率 |
---|---|---|---|---|
‘16.12 | 2,442 | 1.9% | 3,210 | 1.4% |
‘17.7 | 2,918 | 19.5% | 3,825 | 19.2% |
‘18.1 | 2,570 | -11.9% | 3,364 | -12.1% |
‘18.7 | 2,716 | 5.7% | 3,499 | 4.0% |
‘19.1 | 2,723 | 0.3% | 3,526 | 0.8% |
‘19.7 | 2,933 | 7.7% | 3,413 | -3.2% |
‘20.1 | 3,085 | 5.2% | 3,487 | 2.2% |
‘20.7 | 2,832 | -8.2% | 3,671 | 5.3% |
‘21.1 | 3,201 | 13.0% | 4,051 | 10.4% |
‘21.7 | 3,266 | 2.0% | – | |
‘22.1(予) | 3,046 | – | ||
‘22.7(予) | 3,070 | – |
建物価格の割合が高く減価償却費割合が大きい再開発物件等の新規取得物件について、対象物件の減価償却費の30%を上限として継続的利益超過分配を実施するとしています。
公募増資(PO)・第三者割当増資履歴
利益のほとんどを分配するJ-REITにとって、増資は成長するための重要なエンジンになります。
上場からの公募増資、第三者割当増資の履歴は下記のとおりです。
コンスタントに公募増資を行っていて、資産規模の成長に寄与しています。
直近の2021年1月期には320億円を調達して、借入金とあわせて3物件を463億円で取得しています。
沿革
2007年3月 | 産業ファンド投資法人設立 |
2007年10月 | 東京証券取引所に上場 |
2022年4月 | スポンサーが三菱商事とUBSからKKRに変更 |
2022年4月、三菱商事とUBSがKKRに資産運用会社の株式を譲渡。
これによってスポンサーがKKRに変更となりました。
産業ファンド投資法人のまとめ
- スポンサーは世界的投資会社のKKR。
- インダストリアル不動産とインフラ不動産の複合型という他のJ-REITにはない特徴的なポートフォリオ。
- CRE提案は他のJ-REITも行っているが、本投資法人はCRE提案による物件取得をメインとしているところが特徴的。