SBIホールディングス(8473)完全子会社のSBIファイナンシャルサービシーズがメインスポンサーの総合型J-REITです。
そんな日本リート投資法人について紹介します!
Contents
スポンサー・資産運用会社・格付
スポンサー | SBIファイナンシャルサービシーズ クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド・アセットマネジメント アジリティー・アセット・アドバイザーズ |
資産運用会社 | SBIリートアドバイザーズ |
格付 | A+ / 安定的(JCR) |
資産運用会社の株主 | 出資比率 |
---|---|
SBIファイナンシャルサービシーズ | 67% |
クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド・アセットマネジメント | 18% |
アジリティー・アセット・アドバイザーズ | 15% |
日本リート投資法人の特徴
日本リート投資法人は、SBIホールディングス傘下のSBIファイナンシャルサービシーズがメインスポンサーの総合型J-REITです。
サブスポンサーは外資系アセットマネジメント会社のクッシュマン(NYSE: CWK)とアジリティーが務めます。
都心中規模オフィスへの重点投資、テナント及び物件を究極に分散を効かせたポートフォリオにより、磐石なポートフォリオの追究を成長戦略に掲げています。
それによって収益の成長性及び安定性を重視した総合型ポートフォリオの構築で、投資主価値の最大化を図る方針です。
SBIファイナンシャルサービシーズは子会社でアセットマネジメント事業を営む東西アセット・マネジメントと連携した物件取得が期待されます。
また、SBIホールディングスでは、THEグローバル社(3271)、アスコット(3264)といったデベロッパーをそれぞれ連結子会社、持分法適用関連会社に抱えており、これら2社によるパイプラインの供給も期待です。
投資方針(ポートフォリオ構築方針)
用途
用途 | 割合 |
---|---|
オフィス | 50%以上 |
住宅 | 50%以下 |
商業施設(都市型・コミュニティ隣接型) | 20%以下 |
オフィスを「成長性」として50%以上、住宅を「安定性」として50%以下、都市型商業施設を「成長性」として、コミュニティ隣接型商業施設を「安定性」として20%以下の割合で投資する方針です。
2021年6月30日時点のポートフォリオは、オフィスが73.6%、住宅が23.2%、商業施設が3.2%となっています。
投資エリア
日本リート投資法人では、オフィスと住宅で投資比率をそれぞれ設定しています。
商業施設では地域別投資比率は定めていません。
オフィス投資エリア | 割合 |
---|---|
都心6区 | 60%以上 |
三大都市圏(都心6区除く) | 40%以下 |
政令指定都市等 | 20%以下 |
オフィスでは都心6区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区、品川区)に60%以上、三大都市圏(東京経済圏、大阪経済圏、名古屋経済圏)に40%以下、政令指定都市等(三大都市圏以外に所在する政令指定都市及び県庁所在地)に20%以下と定めています。
2021年6月30日時点のポートフォリオは、都心6区が73.1%、三大都市圏が26.9%で、政令指定都市等への投資はありません。
住宅投資エリア | 割合 |
---|---|
三大都市圏(都心6区含む) | 60%以上 |
政令指定都市等 | 40%以下 |
住宅では三大都市圏に60%以上、政令指定都市等に40%以下で投資する方針です。
2021年6月30日時点のポートフォリオは、三大都市圏が93.6%で、政令指定都市等が6.4%となっています。
資産規模・1口当たりNAV推移
上場からの資産規模と1口当たりNAVの推移は下のグラフのとおりです。
直近10期(5年)の資産規模と1口当たりNAVは下記のとおりです。
決算期 | 資産規模(億円) | 1口当たりNAV(円) | 増減率 |
---|---|---|---|
‘16.12 | 2,048 | 310,132 | 2.7% |
‘17.6 | 2,048 | 321,274 | 3.6% |
‘17.12 | 2,077 | 324,820 | 1.1% |
‘18.6 | 2,077 | 334,542 | 3.0% |
‘18.12 | 2,479 | 342,122 | 2.3% |
‘19.6 | 2,492 | 358,025 | 4.6% |
‘19.12 | 2,492 | 372,454 | 4.0% |
‘20.6 | 2,492 | 380,330 | 2.1% |
‘20.12 | 2,554 | 381,438 | 0.3% |
‘21.6 | 2,550 | 386,052 | 1.2% |
資産規模は中期目標として3,000億円を目指すとしています。
資産規模・1口当たり分配金・1口当たりFFO推移
上場からの1口当たり分配金と1口当たりFFOの推移は下のグラフのとおりです。
直近10期(5年)の1口当たり分配金と1口当たりFFOは下記のとおりです。
決算期 | 1口当たり分配金(円) | 増減率 | 1口当たりFFO(円) | 増減率 |
---|---|---|---|---|
‘16.12 | 7,800 | 3.7% | 9,726 | 3.3% |
‘17.6 | 8,217 | 5.3% | 10,091 | 3.8% |
‘17.12 | 9,211 | 12.1% | 10,170 | 0.8% |
‘18.6 | 8,500 | -7.7% | 10,489 | 3.1% |
‘18.12 | 8,536 | 0.4% | 10,573 | 0.8% |
‘19.6 | 9,617 | 12.7% | 10,628 | 0.5% |
‘19.12 | 8,892 | -7.5% | 11,049 | 4.0% |
‘20.6 | 9,228 | 3.8% | 11,438 | 3.5% |
‘20.12 | 12,100 | 31.1% | 11,439 | 0.0% |
‘21.6 | 10,800 | -10.7% | 11,025 | -3.6% |
‘21.12(予) | 11,665 | – | ||
‘21.6(予) | 8,750 | – |
2022年頃までに含み益の具現化を含め、実額1⼝当たり分配⾦9,000円台の堅持を⽬指し、その上で、中期⽬標として巡航1⼝あたり分配⾦の成⻑に向けて再スタートするとしています。
公募増資(PO)・第三者割当増資履歴
利益のほとんどを分配するJ-REITにとって、増資は成長するための重要なエンジンになります。
上場からの公募増資、第三者割当増資の履歴は下記のとおりです。
公募増資の回数は多くありません。
直近の2018年12月期では164億円を調達し、借入金も活用して合計402億円で21物件を取得しています。
沿革
2010年9月 | 日本リート投資法人設立 |
2014年4月 | 東京証券取引所に上場 |
2022年11月 | メインスポンサーが双日からSBIファイナンシャルサービシーズに変更 |
2022年11月、上場時からメインスポンサーを務めていた双日(2768)が、SBIファイナンシャルサービシーズへ保有する資産運用会社の全株式を譲渡。
これによってメインスポンサーが総合商社の双日から金融コングロマリットのSBIグループに変わることとなりました。
日本リート投資法人のまとめ
- スポンサーはSBIと外資系アセットマネジメント会社2社で、SBIの今後に期待。
- 資産規模は2,500億円程度で、J-REITではちょうど中間くらい。
- ポートフォリオは都心6区の中規模オフィスが中心で、物件、テナント共に分散が効いている。