総合商社の丸紅(8002)がスポンサーの総合型J-REITです。
僕が保有している銘柄の一つでもあります。
そんなユナイテッド・アーバン投資法人について紹介します!
Contents
スポンサー・資産運用会社・格付
スポンサー | 丸紅 |
資産運用会社 | ジャパン・リート・アドバイザーズ |
格付 | AA / 安定的(JCR) |
資産運用会社の株主 | 出資比率 |
---|---|
丸紅 | 100% |
ユナイテッド・アーバン投資法人の特徴
ユナイテッド・アーバン投資法人は、総合商社の丸紅がスポンサーの総合型J-REITで、「用途・投資地域を分散させた総合型ポートフォリオ」と謳っています。
また、「本源的価値を有する不動産を見極め、持続的成長を追求するREIT」とも謳っており、多種・多様な不動産への厳選投資する「ダイバーシファイド・インベストメント」、現場第一主義に基づく物件育成による「ハンズオン・マネジメント」の両輪により、「用途・地域にかかわらず中長期にわたり安定した収益性を確保し得る不動産」に投資することで、投資法人の持続的成長の追求を運用戦略としています。
用途分散投資を行うことにより、特定用途の不動産市況等のリスクの低減を図り、地域分散投資を行うことにより、特定地域の自然災害等のリスクの低減を図り安定した収益の確保を目指しています。
このような分散投資により、特定の用途・地域から受ける影響の平準化、自然災害リスクの低減、物件取得機会が豊富なことがメリットとしています。
投資方針(ポートフォリオ構築方針)
用途
用途 | 割合 |
---|---|
各用途のポートフォリオ全体に占める投資割合の上限 | 60% |
用途ごとの割合は定めず、商業施設、オフィスビル、ホテル、住居、その他の投資対象として物流施設やインフラ施設、データセンターなどの幅広い用途に投資する方針です。
2021年5月31日時点のポートフォリオは、商業施設が28.7%、オフィスが29.5%、ホテルが24.0%、住宅が7.7%、その他が10.2%で、その他のうち6.1%が物流施設となっています。
投資エリア
投資エリア | 割合 |
---|---|
首都圏 | 50%以上 |
1地域経済圏の占める割合(首都圏を除く) | 1/3未満 |
首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、群馬県、栃木県、山梨県)に50%以上の割合で投資し、全国の主要都市及びそれぞれの周辺部にも投資する方針です。
2021年5月31日時点のポートフォリオは、首都圏が61.9%、大阪圏(大阪府、京都府、兵庫県)が16.6%、名古屋圏(愛知県、三重県、岐阜県)が3.1%、その他のエリアが18.3%となっています。
資産規模・1口当たりNAV
上場からの資産規模と1口当たりNAVの推移は下のグラフのとおりです。
順調に資産規模を拡大しており、J-REITの中でも屈指の規模となっています。
直近10期(5年)の資産規模と1口当たりNAVは下記のとおりです。
決算期 | 資産規模(億円) | 1口当たりNAV(円) | 増減率 |
---|---|---|---|
‘16.11 | 5,904 | 142,391 | 5.8% |
‘17.5 | 6,216 | 145,596 | 2.3% |
‘17.11 | 6,109 | 147,795 | 1.5% |
‘18.5 | 6,086 | 151,506 | 2.5% |
‘18.11 | 6,139 | 154,692 | 2.1% |
‘19.5 | 6,261 | 158,478 | 2.4% |
‘19.11 | 6,438 | 162,383 | 2.5% |
‘20.5 | 6,615 | 162,838 | 0.3% |
‘20.11 | 6,564 | 161,903 | -0.6% |
‘21.5 | 6,714 | 162,803 | 0.6% |
1口当たり分配金・1口当たりFFO推移
上場からの1口当たり分配金と1口当たりFFOの推移は下のグラフのとおりです。
直近10期(5年)の1口当たり分配金と1口当たりFFOは下記のとおりです。
決算期 | 1口当たり分配金(円) | 増減率 | 1口当たりFFO(円) | 増減率 |
---|---|---|---|---|
‘16.5 | 3,000 | 1.6% | 4,339 | 4.8% |
‘16.11 | 3,010 | 0.3% | 4,019 | -7.4% |
‘17.5 | 3,250 | 8.0% | 4,652 | 15.8% |
‘17.11 | 3,358 | 3.3% | 4,629 | -0.5% |
‘18.5 | 3,530 | 5.1% | 4,835 | 4.5% |
‘18.11 | 3,473 | -1.6% | 4,574 | -5.4% |
‘19.5 | 3,661 | 5.4% | 4,406 | -3.7% |
‘19.11 | 3,435 | -6.2% | 4,706 | 6.8% |
‘20.5 | 3,470 | 1.0% | 4,372 | -7.1% |
‘20.11 | 3,119 | -10.1% | 3,803 | -13.0% |
‘21.5 | 3,182 | 2.0% | – | |
‘21.11(予) | 3,100 | – | ||
‘22.5(予) | 3,100 | – |
2022年11月期までは1口当たり分配金の下限を3,100円に設定し、利益水準が下限に満たない場合は内部留保の取り崩しを行う方針です。
公募増資(PO)・第三者割当増資履歴
利益のほとんどを分配するJ-REITにとって、増資は成長するための重要なエンジンになります。
上場からの公募増資、第三者割当増資の履歴は下記のとおりです。
過去には500億円を超える公募増資を行っていましたが、近年では回数は少なく、規模も直近の2019年11月期では93億円と小さくなっています。
沿革
2003年11月 | ユナイテッド・アーバン投資法人設立 |
2003年12月 | 東京証券取引所に上場 |
2006年4月 | 大和生命保険がスポンサーから離脱 |
2006年5月 | トリニティ・インベストメント・トラスト・エル・エル・シーがスポンサーから離脱 |
2010年12月 | 日本コマーシャル投資法人を吸収合併 |
2012年5月 | クレディ・スイス・プリンシパル・インベストメンツ・リミテッド東京支店がスポンサーから離脱 |
2017年12月 | 丸紅が単独スポンサーに |
上場時のスポンサーは丸紅の他に、米国ハワイに拠点を置く不動産投資会社のトリニティ・インベストメント・トラスト・エル・エル・シー、世界的金融グループであるクレディ・スイスの子会社のクレディ・スイス・プリンシパル・インベストメンツ・リミテッド東京支店、大和生命保険(現 プルデンシャル ジブラルタ ファイナンシャル生命保険)、極東証券(8706)が名を連ねていました。
大和生命は2006年4月、トリニティは2006年5月、クレディ・スイスは2012年5月にスポンサーから離脱しています。
残る極東証券は、2017年の丸紅による株式売渡請求により株式を譲渡し、丸紅が単独スポンサーとなりました。
日本コマーシャル投資法人(3229)
日本コマーシャル投資法人は、2006年9月に上場したオフィスビルと商業施設を対象としたJ-REITでした。
スポンサーは、不動産投資ファンド運用会社のパシフィックホールディングス(旧 パシフィックマネジメント)が務めていました。
リーマンショック後の2009年3月、パシフィックホールディングスが会社更生手続開始の申立てを行います。
それを受けて新スポンサーを探していましたが、新スポンサーが丸紅に決定し、ユナイテッド・アーバン投資法人との合併に至りました。
ちなみに、パシフィックホールディングスは日本レジデンシャル投資法人(8962)のスポンサーも務めていて、こちらは伊藤忠商事がメインスポンサーの旧アドバンス・レジデンス投資法人(8978)と合併してアドバンス・レジデンス投資法人(3269)となっています。
ユナイテッド・アーバン投資法人のまとめ
- 総合商社として不動産事業で実績のある丸紅がスポンサー。
- 用途・地域共に分散を目指したポートフォリオで安定を図る。
- ただ、ホテルへのコロナの影響が大きく不透明感も…。