シップヘルスケアホールディングス(3360)、NECキャピタルソリューション(8793)、三井住友銀行がメインスポンサーの国内唯一のヘルスケア施設特化型J-REITです。
そんなヘルスケア&メディカル投資法人について紹介します!
Contents
スポンサー・資産運用会社・格付
スポンサー | シップヘルスケアホールディングス NECキャピタルソリューション 三井住友銀行 三井住友ファイナンス&リース SMBC日興証券 銀泉 陽栄 室町建物 神戸土地建物 |
資産運用会社 | ヘルスケアアセットマネジメント |
格付 | A+ / 安定的(JCR) |
資産運用会社の株主 | 出資比率 |
---|---|
シップヘルスケアホールディングス | 33.3% |
NECキャピタルソリューション | 33.3% |
三井住友銀行 | 5% |
三井住友ファイナンス&リース | 4.8% |
SMBC日興証券 | 4.8% |
銀泉 | 4.7% |
陽栄 | 4.7% |
室町建物 | 4.7% |
神戸土地建物 | 4.7% |
ヘルスケア&メディカル投資法人の特徴
ヘルスケア&メディカル投資法人は、国内唯一のヘルスケア施設特化型J-REITです。
ヘルスケア施設は有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、認知症高齢者グループホームなどの高齢者向け施設・住宅と、病院などの医療関連施設等からなります。
スポンサーはシップヘルスケアホールディングス、NECキャピタルソリューションに加えて、三井住友銀行を始めとしたSMBC系企業が合計33.4%となっています。
スポンサーによるセイムボート出資として、シップヘルスケアホールディングス、NECキャピタルソリューション、三井住友銀行がそれぞれ投資口の1.3%を保有しています。
また、三井住友銀行子会社のSMBC信託銀行、NECキャピタルソリューション子会社のリサ・パートナーズ、三井住友ファイナンス&リース子会社のマックスリアルティー、同子会社のSMFLみらいパートナーズを「サポート会社」と位置付けています。
施設のオペレーターは、シップヘルスケアの子会社であるグリーンライフ、グリーンライフ東日本を始め、SOMPOホールディングス子会社のSOMPOケア、ベネッセホールディングス子会社のベネッセスタイルケア、ソニーグループ子会社のプラウドライフ、ウチヤマホールディングス子会社のさわやか倶楽部、野村不動産ホールディングス持分法適用関連会社のJAPANライフデザインなどが務めています。
これまでにヘルスケア特化型J-REITは、本投資法人とあわせて3つの上場がありました。
大和証券グループ本社をスポンサーとする日本ヘルスケア投資法人(3308)、ケネディクスをメインスポンサーとするジャパン・シニアリビング投資法人(3460)、そして本投資法人です。
ですが、他の2つのJ-REITは規模が小さいヘルスケア特化型の限界を感じ、スポンサーを同じくする住宅系REITと合併して、大和証券リビング投資法人(8986)、ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人(3278)となっています。
さて、ヘルスケア&メディカル投資法人も資産規模は約660億円でJ-REIT全体で下位の資産規模の小ささです。
本投資法人のスポンサーは、現時点では他のJ-REITのスポンサーにはなっていないため、他の2つのような合併の可能性は低く、本投資法人独自の力で成長していかなければなりません。
これまで取得した物件の取得先のほとんどは、三井住友ファイナンス&リース、陽栄から直接、NECキャピタルソリューションを中心に組成したファンド、マックスリアルティーを中心に組成したファンド(サポートSPC)となっています。
近年はサポートSPCからの取得が多くなっており、今後の成長はマックスリアルティーと親会社の三井住友ファイナンス&リースの力量にかかっていると思います。
合併の可能性としては、4.8%を保有する三井住友ファイナンス&リースが子会社化したケネディクスがスポンサーのケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人との合併ですが、NECキャピタルソリューションは三井住友ファイナンス&リースの持分法適用関連会社ですし、シップヘルスケアホールディングスはオペレーターとして参画できれば・・・なんて流石に難しいでしょうか。
投資方針(ポートフォリオ構築方針)
用途
用途 | 割合 |
---|---|
ヘルスケア施設 | 80%以上 |
その他 | 20%以下 |
高齢者向け施設・住宅、医療関連施設等からなるヘルスケア施設へ80%以上、通所介護サービス(デイサービス)等を提供する事業所、フィットネスクラブ等の健康増進施設等からなるその他へ20%以下の割合で投資する方針です。
2021年7月31日時点のポートフォリオは、ヘルスケア施設100%です。
投資エリア
投資エリア | 割合 |
---|---|
三大都市圏 中核都市圏 | 80%以上 |
その他 | 20%以下 |
首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)、近畿圏(大阪府、京都府、兵庫県)、中部圏(愛知県)の三大都市圏と、三大都市圏以外の政令指定都市、県庁所在地及び地方中核市の中核都市圏へ80%以上、その他のエリアに20%以下の割合で投資する方針です。
2021年7月31日時点のポートフォリオは、三大都市圏が86.5%、中核都市圏が11.0%、その他が2.6%となっています。
資産規模・1口当たりNAV推移
上場からの資産規模と1口当たりNAVの推移は下のグラフのとおりです。
直近10期(5年)の資産規模と1口当たりNAVは下記のとおりです。
決算期 | 資産規模(億円) | 1口当たりNAV(円) | 増減率 |
---|---|---|---|
‘17.1 | 250 | 120,027 | 4.3% |
‘17.7 | 384 | 113,996 | -5.0% |
‘18.1 | 405 | 115,709 | 1.5% |
‘18.7 | 405 | 117,445 | 1.5% |
‘19.1 | 421 | 118,038 | 0.5% |
‘19.7 | 648 | 118,986 | 0.8% |
‘20.1 | 648 | 119,303 | 0.3% |
‘20.7 | 663 | 119,842 | 0.5% |
‘21.1 | 663 | 119,268 | -0.5% |
‘21.7 | 670 | 120,907 | 1.4% |
中期的に1,000億円の資産規模を目標としています。
1口当たり分配金・1口当たりFFO推移
上場からの1口当たり分配金と1口当たりFFOの推移は下のグラフのとおりです。
直近10期(5年)の1口当たり分配金と1口当たりFFOは下記のとおりです。
決算期 | 1口当たり分配金(円) | 増減率 | 1口当たりFFO(円) | 増減率 |
---|---|---|---|---|
‘17.1 | 2,440 | 4.3% | 4,134 | 2.9% |
‘17.7 | 2,697 | 10.5% | 4,188 | 1.3% |
‘18.1 | 2,653 | -1.6% | 4,200 | 0.3% |
‘18.7 | 2,699 | 1.7% | 4,293 | 2.2% |
‘19.1 | 3,120 | 15.6% | 4,428 | 3.1% |
‘19.7 | 3,643 | 16.8% | 4,767 | 7.7% |
‘20.1 | 3,320 | -8.9% | 4,461 | -6.4% |
‘20.7 | 3,240 | -2.4% | 4,401 | -1.3% |
‘21.1 | 3,226 | -0.4% | 4,430 | 0.7% |
‘21.7 | 3,266 | 1.2% | – | |
‘22.1(予) | 3,236 | – | ||
‘22.7(予) | 3,238 | – |
減価償却費相当額の100分の20に相当する金額を目処として、毎期継続的に利益超過分配を実施する方針です。
公募増資(PO)・第三者割当増資履歴
利益のほとんどを分配するJ-REITにとって、増資は成長するための重要なエンジンになります。
上場からの公募増資の、第三者割当増資履歴は下記のとおりです。
2019年7月期には120億円を調達して、借入金とあわせて226億円で8物件を取得しています。
沿革
2014年12月 | ヘルスケア&メディカル投資法人設立 |
2015年3月 | 東京証券取引所に上場 |
ヘルスケア&メディカル投資法人のまとめ
- シップヘルスケア、NECキャピタル、SMBCが組んだJ-REIT。
- 現在唯一残っているヘルスケア施設特化型J-REIT。
- 特化型REITとして、このままの体制で生き残っていけるのか、今後の成長に不安感も…。